お母さんに「ほっこりできる時間」を|高知市で「はぐあすカフェ」が開かれました
「誰かとゆっくりおしゃべりしたい」「心配ごとを聞いてほしい」「抱っこをちょっと代わってほしいな」…。子育て中のお母さんたちのそんな思いに寄り添う「はぐあすカフェ」が高知市内の公園で開かれました。企画したのは、産前産後のお母さんをサポートするコミュニティー「はぐあす」。5 組の親子が参加し、お茶をしながらおしゃべりする「ほっこり時間」を楽しみました。
※はぐあすの拠点となる施設「いのち育みサポート はぐあす」が 2022 年 8 月 2 日、高知市朝倉甲にオープンします。産後ケア、乳児の一時預かり、ランチ、セミナーなどのサービスを提供する「女性のためのケア拠点」で、助産師、保育士、管理栄養士、理学療法士がスタッフとして母子を支えていきます。詳しくはこちら
心を支え合い、育てよう
「はぐあす」は、よつば助産院(高知市朝倉甲)の助産師、藤原恵さんが中心となって活動しています。メンバーは藤原さんのほかに、歯科衛生士、管理栄養士、理学療法士、保育士、ウェブデザイナーの 6 人で、2020 年 1 月から活動を始めました。
それぞれの職種でお母さんたちと関わる中でメンバーが感じてきたのが「産後のお母さんたちを応援する場が必要」ということ。藤原さんは「『体を休めたい』『ゆっくり食事したい』『お母さん同士で交流したい』という声をよく聞きますが、産前産後の早い時期から利用できる施設が高知では少ない。お母さんたちを多職種で受け入れ、休める、食べれる、学べる、交流できる仕組みをつくりたい」と語ります。
コンセプトは「いのちを育む人を支える」。「はぐあす」には大人同士が心を支え合う「HUG US」、そして未来の子どもたちを育てる「育(はぐ)明日」という意味を込めました。育児支援やセミナーなどが行えて、カフェも備えた拠点を 2022 年に造ることを目標に活動しています。
リアルで語ろう
「はぐあす」でまず始めたのが、お母さんたちが交流する「おしゃべり会」。新型コロナウイルスの影響で、これまではオンラインで開催してきましたが、10 月に初めてリアルで開催しました。その名も「リアルdeはぐあすカフェ」。「密」を避けるため、高知市内の公園を利用し、秋晴れでのピクニックとなりました。
参加したのは 2 カ月から 2 歳までの子どもを育てるお母さん 5 人。「最近どうしてますか?」という話から、おしゃべりが始まりました。
お母さんの多くは高知県外の出身。「コロナで外に出れなくて、うつうつとしてました」「夫は仕事が忙しく、土日もいない。たまに絶叫しそうになる」「ママ友がつくれない」「子どもと2人でいると、『大人としゃべりたい』『日本語しゃべりたい』って思います」…。お母さんたちのつぶやきを、はぐあすメンバーが「分かる分かる」と受け止めました。
子どもと離れる時間をつくります
「お母さんを応援する」という言葉通り、メンバーたちは赤ちゃんの抱っこを代わったり、近くにある遊具で遊びたそうな幼児には「おばちゃんと遊びに行く?」と声を掛けたり。お母さんたちがわが子と離れる時間がつくれるのも、リアルでのおしゃべり会ならではです。温かいお茶をゆっくり飲み、お菓子を食べながら、お母さん同士でおしゃべりするという、家庭ではなかなか味わえない時間が楽しめました。
お母さんがリラックスできているためか、子どもたちものびのびと過ごしていたのが印象的でした。
お母さんが休める場所、休んでもいい雰囲気をつくりたい
「はぐあす」ではおしゃべり会を月に 1 度続け、2021 年春からはセミナーなど、産前産後のお母さんを支える事業にも取り組んでいく予定です。
子育ての環境が変わり、産後間もない時期から祖父母からの手助けがない状態で子育てをせざるを得ず、「どうしていいか分からない」と困っているお母さんは少なくありません。コロナの影響で遠くの実家や義実家に帰れない、援助を受けられないということも増えました。だからこそ、「お母さんの孤立を防がないといけない」と藤原さんは語ります。
「毎日頑張っているお母さんには休む時間が必要です。産前産後からお母さんたちと関わり、休める場所や遠慮せずにSOSを出せる場所を『はぐあす』でつくり、子どもの年齢が大きくなっても、お母さんが自分を大事にしてほっとできる居場所に育てていけたら。『お母さんは休んでもいいんだよ』という雰囲気づくりや、子育てしやすい地域づくりにもつながればと思っています」
次回のおしゃべり会は 11 月 27 日(金)10 時半から。場所はコロナの状況も見ながら決めるそうです。「はぐあす」のフェイスブックやインスタグラムで確認してください。