週刊高知の子どもニュース 2020年9月13~19日
秋の 4 連休ですね。「だいぶ過ごしやすくなってきたので、おでかけを」というご家族も多いと思います。今週の「週間高知の子どもニュース」でも夜の動物園を楽しんだり、川の生物を観察したり、親子での活動を楽しむ様子を紹介しています。
お父さんに教えられてカヌーを始め、この夏、カヌーの先生を務めたのは土佐郡土佐町の小学 3 年生、ゾルカ・ジョコシュさん。早明浦ダム湖で初心者を指導したそうです。お父さん、お母さんと楽しんだ経験から、興味の幅を広げたり、目標を見つけたりする子どももいます。いろいろなことに挑戦させてあげたいですね。
2020 年 9 月 13 ~ 19 日の子どもたちのニュースを、高知新聞の紙面からお届けします。
目次
夜の動物じっくり観察 のいち動物公園「のいちdeナイト」に780人
(高知新聞 2020 年 9 月 15 日朝刊より)
普段は見ることができない夜の動物を楽しむ恒例の「のいちdeナイト」がこのほど、香南市野市町大谷の県立のいち動物公園で開かれた。日が落ちて涼しくなった園内で、家族連れらが普段よりもじっくりと動物を観察した。
2003年から実施する人気企画。今年は新型コロナウイルス対策のため、餌やりやガイドなどは中止になったものの、12日には事前に申し込んだ約780人が集まった。
来場者は「動かない鳥」で有名なハシビロコウの一挙手一投足に注目しては「うんと姿勢がえいね」「動いた!」と大盛り上がり。人気のキリンやシマウマなどの動物のほか、園内のイルミネーションも楽しんだ。
毎年訪れているという香美市の舟入小学校3年、吉本幸輝君(8)は「フクロウやコウモリ、ハシビロコウを見てきた。今年も来られて良かった」と笑顔だった。
「―ナイト」は10月3日にも開催される。(川嶋幹鷹)
園児の似顔絵で詐欺被害防ごう 高知市の金融機関
(高知新聞 2020 年 9 月 15 日朝刊より)
お年寄りの詐欺被害を防ごうと14日、一宮幼稚園(高知市一宮東町1丁目)の園児が描いた啓発ポスター36枚が、地元金融機関8カ所のロビーなどに飾られた。
高齢者の詐欺被害が続く中、一宮交番連絡協議会(大久保正司会長)が「園児のかわいらしい絵を見て意識を高めてもらいたい」と発案。「ちいきのきずなでサギをストップ」などと書かれた台紙に年長組の36人が「気をつけて!」と呼び掛ける自分の顔を描いた。
この日、園児4人が四国銀行薊野支店を訪れ、同会員や高知東署員が見守る中、岡林詞美(つぐみ)支店長に絵を手渡した。眉毛をつり上げて注意を呼び掛ける自分の似顔絵を描いた中山陽菜ちゃん(5)は「おじいちゃんが知らない人にお金を渡そうとしたら、注意したい」と話していた。(高井美咲)
児童らの思い外国語で訴え 土佐市で暗唱大会
(高知新聞 2020 年 9 月 15 日朝刊より)
外国語を学ぶ児童の暗唱大会が13日、土佐市宇佐町竜の明徳義塾中高竜キャンパスで開かれ、県内の小学3~6年の40人余りが発音や表現力を競った。
同校が毎年主催し、16回目。英語と中国語の2部門で、例文課題か自作の文章を2分30秒以内で暗唱した。
英語に40人、中国語に5人がエントリー。身ぶり手ぶりを交えながら、夢や宝物、お気に入りの本などについて流ちょうに語った。
英語部門でグランプリを受賞した横内小6年の和田桧雨(ひのめ)さんは人種差別をテーマに発表。今夏、全米に広がった黒人差別に対する運動を取り上げ、全ての人が幸せに生きる権利や身近な人と一緒に声を上げることの大切さを、熱いまなざしで訴えた。
中国語部門では須崎小5年の下村羚嘉(れいか)さんがグランプリに選ばれた。(深田恵衣)
カヌー講師は小3生 ダム湖で教室(土佐町)
(高知新聞 2020 年 9 月 16 日朝刊より)
土佐郡土佐町の住民らが行っている観光博覧会「土佐の里山めぐり体験博 とさんぽ」(8月1日~9月22日)のプログラムを見ていたら、こんなメニューを見つけた。
「あなたはゾルカの可愛さに耐えられますか? キューティー♥ゾルカ(8歳) カヌーレッスン」
夏バテ気味の体と心に、誘い文句が刺さった。8月の終わり。早明浦ダム湖へと車を走らせた。
「今日は、わたしが先生をします。よろしくお願いします!」
土佐町小学校3年、ゾルカ・ジョコシュさん(9)の元気な声が湖畔に響く。高知市や同町などの6人、9~45歳の生徒に向かい、ゾルカさんは「パドルはこう持って、フォームはこうで」。カヌーのいろはを丁寧に教えていく。
とはいえ、ほとんどが初心者。いざ湖にこぎ出すと、転覆する人が続出。すぐさま助けに向かったゾルカさんは、「力を抜いて、リラックス!」。終始気配りを欠かさない。みっちり3時間の指導を受けた人は「教え方が丁寧で分かりやすかった」「また乗りたい」と満足そうだった。
実はゾルカさん。2017年にハンガリーから同町に移住したカヌーの元世界王者、ラヨシュ・ジョコシュ(40)さんの長女。昨年4月にカヌーを始め、今では1人でスイスイ。父と一緒にトレーニングに汗を流しており、この日は、父直伝のテクニックや町の豊かな自然をPRしようと先生役を買って出た。
終了後、指導を支えてくれたNPO法人「さめうらプロジェクト」メンバーらに、「先生ができたのはみんなのおかげです」とぺこり頭を下げたゾルカさん。次は、カヌー同様に熱中しているマウンテンバイクの先生に挑戦してみたいそうで、「ここは小さな町だけど、青い湖ときれいな山があって好きなが」とにっこり。
弾んだ声の土佐弁に、夏の疲れが吹き飛んだ。(竹内将史)
古材の魅力発信 安芸市で家具展示や工作体験
(高知新聞 2020 年 9 月 17 日朝刊より)
解体した民家などの古材を活用した家具を展示販売するイベントがこのほど、高知県安芸市下山の安岡重機倉庫で行われた。会場では古材を利用した工作のワークショップも開かれた。
県東部活性化へ観光事業などを手掛ける「サルベージ高知」(安岡浩史社長)が古材や、ものづくりの魅力を伝えようと企画。13日は、コーヒーショップやスイーツ店も出店し、約120人の来場者でにぎわった。
会場にはベンチや机、たんす、窓枠などがずらり。経年変化した木の魅力に、訪れた人は「味があるねえ」「これ、かわいい」と話していた。
工作ワークショップコーナーでは、親子連れらがコースターづくりを体験。焼きごてを使ってロゴマークを入れたり、オイルを塗ってつやを出したりして楽しんだ。(森部智成)
児童らが川の生物観察会 室戸市
(高知新聞 2020 年 9 月 17 日朝刊より)
身近な自然の豊かさを知ってもらおうと、室戸市室戸岬町の椎名川でこのほど、生き物観察会が開かれ、地元児童ら8人が楽しみながら生物多様性や環境保全について学んだ。
たのしいなこどもクラブの主催。水生生物研究家の石川妙子さん(64)=吾川郡いの町=を講師に招き、13日に開いた。子どもたちは網を片手に箱めがねで水中をのぞき込んだり、川底の石をめくったり。サワガニやヘビトンボの幼虫などを捕まえては歓声を上げていた。
石川さんは「捕まえた水生昆虫は、きれいな水にすむ種類が多い」などと解説。県レッドデータブックで準絶滅危惧種のベンケイガニの生息も確認し、「ここでは日頃見かけても、県中央部ではほとんど見えない。珍しいので大切にして」と呼び掛けていた。
室戸小学校5年の竹内大智君(10)は「椎名川にエビだけで何種類もいるとか、生き物について知ることができてよかった。いっぱい捕まえて楽しかった」と話していた。(大野耕一郎)
三里小で茂山狂言WS 千之丞さん 11月高知公演
(高知新聞 2020 年 9 月 19 日朝刊より)
狂言師の茂山千之丞さん(37)のワークショップ(WS)が18日、高知市仁井田の三里小で行われ、6年生33人が狂言独特の身体表現を楽しく学んだ。
千之丞さんは祖父の故・二世千之丞さんと父の茂山あきらさんに師事し、2018年に三世千之丞を襲名。自身も出演する茂山狂言の特別公演が11月に高知市で開かれるのを前に、主催する高知市こども劇場が企画した。
千之丞さんが「普段やらないような動きでお芝居をするのが狂言の特徴。難しそうだけど知識はいりません」などと説明。児童らは上半身をなるべく揺らさず歩く「すり足」や、声帯を意識した発声方法に挑戦した。
プロの体の動きに「すごい」と驚いていた藤川彩楓(あやか)さん(12)は「(すり足は)いつも使わない筋肉を使った。疲れたけどすっごい楽しい」と笑顔で話していた。
茂山狂言の公演は11月14日、同市高須の県立美術館能楽堂で開催。主に小学生以上が対象の「昼の部」が午後3時から、主に中学生以上が対象の「夜の部」が午後6時半から。チケットは3千円、高校生以下千円。高新プレイガイドなどで販売中。問い合わせは、同市こども劇場(088・879・7160)へ。(松田さやか)