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もうすぐ2学期。「学校がつらい」と感じる子どもへの対応は?

高知県内の多くの小中学校で、もうすぐ 2 学期が始まります。新型コロナウイルスの感染拡大で休校になり、夏休みが短くなるなど異例づくしの今年。慣れない環境に不安に感じている子どももいるのではないでしょうか。

この記事では、インターネットで子どもの悩みに応じているサイトを紹介しています。対応する専門家によると、「学校がつらい」と感じる子どもを責めたり、追い詰めたりしないことが大切とのこと。保護者にとっても大変な状況が続いていますが、子どもに向き合い、気持ちを受け止めることが子どもを守ることにつながります。

 

学校行くのつらい子、責めないで 短い夏休み、支援団体が呼び掛け

(高知新聞 2020 年 8 月 15 日朝刊より)

新型コロナウイルス感染拡大で生じた学習の遅れを取り戻すため一部地域の学校は17日から新学期が始まったり、授業を再開したりした。高知県内の多くの小中学校も2学期の開始を8月下旬に前倒しする。異例の長期休校に続き、いつもより短い夏休み。慣れない環境に翻弄(ほんろう)される子どもの中には、家庭でも、学校でも居場所が見つからない姿も。支援に取り組む団体や弁護士は「学校に行くのがつらいと感じる子を責めないで」と呼び掛ける。

「学校に居場所がない。親にも愛されていない」。インターネットで子どもの悩みに応じ適切な支援団体の情報を紹介してくれるサイト「Mex(ミークス)」には昨年度、延べ約100万人の利用があった。匿名で書き込める投稿欄には「死にたい」といった切実な声も寄せられる。

安倍晋三首相の要請で全国一斉休校となった3月以降で顕著になったのは、親から暴力を受けたり、無視されたりという虐待被害。望まない妊娠の相談も目立った。家庭に閉じこもるうちに親子関係が悪化し、外に逃げ場を求めると性被害などのリスクにさらされる実態がうかがえた。

各地で学校再開が本格化した6月以降は、いじめや友人関係の悩みが増えた。「クラスの男子全員で菌扱いしてくる」といった訴えのほか、「勉強が難しくて授業についていけるか不安。この気持ちを分かってくれる人がいない」と一人で苦しむ言葉もあった。ミークスを運営する認定NPO法人「3keys」(東京)の森山誉恵代表理事は「いじめに遭っても親が受け止めてくれないなど、学校と家庭の問題は関連しあっている」と話す。

学習遅れを取り戻そうと授業が過密化することへも懸念がある。多くのいじめ相談に乗る渡部吉泰弁護士は「子どもにストレスが蓄積している。水面下でいじめが進む一方、教員は多忙で気付けない恐れがある」と指摘する。

子どもを追い詰めないためには、どうすれば良いのか。森山さんは「大人が『学校にいくべきだ』などとプレッシャーを与えないようにすべきだ。安心できる居場所を用意できないのは大人の責任。『だから、自分が悪いと責めないで』と、子どもに伝えていくことが大切」と語る。渡部弁護士も、いじめに苦しむ子どもへ「自分らしさを守ることを第一にしよう」とエールを送っている。

この記事の著者

ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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