【2023年度入学版】「ラン活」シーズン到来!ランドセルの色や機能の選び方は?高知の老舗・文武堂で聞きました
「ラン活」のトップシーズンが到来。高知市の「文武堂」直伝の選び方をご紹介します
ランドセル選びの季節がやってきました。 2021 年に行った「パパ・ママ リサーチ」では、購入した人が一番多かった時期は「年長の5月」。今がまさにトップシーズンです。
とはいえ、第 1 子入学のタイミングでは、ランドセルって 20 年以上気にしたことないな…というパパママが多いはず。最近のランドセルってどんな感じ? 何を基準に選ぶの? 疑問が次々と浮かびます。
そこで、高知市鴨部2丁目の文武堂で、色や機能の選び方を聞いてきました。
目次
ランドセル一筋 40 年!高知市の「文武堂」武政利彦代表に聞きました。「固定観念は捨てていい」そうです
――文武堂さんは、高知のラン活の代名詞的な存在。ランドセルと学用品を取り扱っています。お店を開いて長いんですか?
武政利彦代表(以下、武政):店を開いたのは 30 年前。それまでは、帯屋町にあった量販店でランドセル売り場を担当していました。だから、ランドセルを売る仕事自体は 40 年以上になるかな。
――ずばり、今のランドセル選びのキーワードは?
武政:「多様性」と「個」かな~。色や形の多様化が進んでるのはご存じの通り。子どもやご家庭ごとに、納得がいく製品も選び方も違ってて、友達同士で選びに来る人も前より減ってるよね。まあ、固定観念は捨てていいよ。「何でもあり」と言うしかない時代やと思う。
――うーん、深い。よろしくお願いします!
【色は?】オリーブ、チャコール…男女問わず使える色が拡大中。赤を選ぶ男の子も!
――ランドセルといえば、まず色が気になります。
武政:傾向としては、性別問わず使える色が増えているよね。
――これは! 性別も、学年も問わないですね。
武政:かわいい刺しゅうが付いた「女の子用ブルー」「女の子用の茶色」とかは以前からあるけどね。こういう感じの、男女同じデザインで使える製品が目立ってきたかな。今年からグレイッシュなラインを増やした工房もあるよ。時代が求めるのかなあ。
――他にも、キュート、クール、スポーティー…いろんなイメージのものがありますね。
武政:ふたの形や飾りの付き方で、同じような色でも印象ががらっと変わるでしょ。去年は鬼滅の刃の影響で、黒に緑のステッチが異様によく売れたけど、今年はまた違うなあ。
武政:今年、創業以来初めて、男の子が赤いランドセルを買って行ったよ。
――それはすてき!時代ですね。
武政:ここ数年で、親御さんの意識がぐっと変わってきてるよね。 前は「やめちょきなさい」で終わりやったもんやけど。その男の子だって、きっと女の子用のランドセルを買ったつもりはないよ。普通に自分が好きな色を選んだだけだと思う。
【機能性は?】可動金具でフィット感アップ、収納ギミック…。便利機能の有り無しは要チェック
――機能面のチェックポイントが知りたいです。
武政:収納は少しずつ違いがあるよね。例えば小マチにファスナーが付いてて、ぐーんと広がったり。
――小さい開口部に水筒が入ってる! 上履きとかも入りそう。ここって、連絡帳しか入らない場所かと思ってました。
武政: 20 年前の感覚だとそうだけど、今はいろいろあるよ。前のポケットの形でも、出し入れのしやすさが変わってくるよ。
武政:あと、背中にフィットさせるために、大体は可動金具が付いてる。この動き方も、メーカーによって多少違うね。
武政:防犯ブザー用フック、ポケット内の鍵用フックもあるね。大体各社に付いてるけど、ないモデルもあるから。一応確認して、納得してから買った方がいいかもね。
【金額は?】金額は6万円台が多数派。祖父母が買う家庭が半数
――購入金額はいくらくらいですか?
武政:数万円から 10 万円以上まであるよ。選ばれるのは、6 万円台が多いかな。
武政:オーダーランドセルとかを安く買いたかったら、早期が狙い目。でも、金額が決め手になる場面って、それほど見たことないけどね。
―― 2021 年のリサーチでは、半数が祖父母に買ってもらったと回答しました。一緒に来店する人も多いですか?
武政:うん。お祝い事として捉える家庭が多いからね。素敵なことだと思うし、家族模様が現れる部分でもある。ちょっとした裏話もあるよ。
――裏話?
【老舗が語る裏話】空気を読む子、希望を言えなかった子…
武政:たまにね、注文書を書いた人が、当日中に「今から、もう 1 回行きます」って電話くれるんだよね。で、数時間後に来店したら、子どもさんが泣きはらした顔をしてたりして。
――あらら。なぜ泣くことに?
武政:うん。選んでる最中に「私はこれがいい」って言えなかったんだよね。例えば、あまり頻繁に会わない親族が一緒に来てくれた時、緊張して希望が言えなくなる子、結構いるんだよ。後は「絶対にこれ」って決めてるお母さんに遠慮することもあるよ。もちろん、一緒に来てくれたおばあちゃんや、お母さんが悪いってことじゃなくてね。子どもって、すごく空気を読むから、注意が必要だってこと。
――そうなんですか。
武政:子どもさんによっては、結構、覚えてるみたい。 3 年生くらいのお姉ちゃんが、妹のランドセルを買う時に「私だって本当は紫色が良かったのに! 勝手に決めて、買わせてくれんかったやんかっ」って、店内で感情を爆発させちゃったりね。同じような場面、何度か見たよね。
――ああ。言われてみればうちの長女も、その場は黙って後で爆発するタイプ…。
武政:男の子は本当に興味ない子もいるけど、女の子がそっけないそぶりを見せる時は「私の意見は聞いてもらえないし」って諦めてる場合もある。店側として、そこは注意深く対応してますね。
【ラン活の極意3選】狙いは定める。子にも選ばせる。ぶれない心も大切に
――とはいえ。親だって、それぞれに我が子に背負わせたいランドセルがありますよ。私も長女におしゃれな色を背負わせたい。「絶対これがいいって。これにしいや!」って、言ってしまいそうです。
武政:そうだね~。ま、子どもの希望は大事だけど、まずはお母さんが納得できることが大前提だからね。バランスっていうか、すりあわせ方が肝だよね。
――ぜひ、知りたいです!
武政:まず、親の方で、我が子に背負わせたいランドセルについて狙いを定めて、ある程度候補を絞る。
――子どもに話すより先に、ですか。
武政:そう。ただ、特定の 1 個に決めない。少し選択肢を残しておいて、「この中だったら、どれがいい?」と子どもに投げかける。
――なるほど!
武政:必ず、どこかで「これにする」って、本人に選ばせるのがポイントだね。色だけじゃないよ。ステッチとか、刺しゅうとか、選ぶ場所はいろいろあるから。「これは僕・私が選んだランドセル」という感覚を、本人が持てた方がいいね。
武政:で、子どもに 1 回「これ」と言わせたら、「これだね」と確認して、後はぶれないこと。そこで「ラン活」のスイッチを切る。これが大事。
――えっ、いさぎよい! 私だったら「本当に?」「かまんね?」って、何度も確認してしまいそう。だって一生に 1 回じゃないですか。
武政:そういうお客さん多いし、別に悪いことではないよ。でも、そもそも子どもって、 1 週間ごとに「やっぱり青にする」とか言うもんじゃない? ランドセルに限らずね。だから、そこでぶれないように、お母さんも腹をくくった方がいいね。何を選んだって、絶対の正解はないんだから、決めたら悩まないこと。
――うーん、なるほど! 極意をまとめます。
【ラン活の極意 3 選】
①方向性は親が定めよ
②子どもに選ぶタイミングを与えるべし
③決めたらぶれないこと
武政:まっ、これが正解かどうかも、時と場合によるからね。ご家族ごとに、それぞれの方法で、楽しく選んで下さいね。
【ココハレ編集部より】カラフル化から20年。楽しく選べますように!
イオン(本社・千葉県千葉市)が業界初の「 24 色ランドセル」を発売したのは 2001 年。カラフル化の波が到来してから 20 年以上が経過し、多様なランドセルは当たり前になりました。
ココハレ編集部員・竹内も今回の取材中、シックなオリーブ色に遭遇し、「自分用に買って帰ろうかな…」と真顔で思うほど心奪われました。一方、2年後に小学校入学を控えた長女は、ピンク色とプリンセスとキラキラが大好き。ランドセルを選ぶ時が今から思いやられますが、今回の「極意 3 選」を胸に、楽しく選ぼうと思います。
皆さんのランドセル選びが、思い出深い時間になりますように!
「定番以外の色ってどう?」「子供と意見が合わない…」悩みに応える先輩パパママの体験談はこちら
高知のランドセル選びの傾向は? 2021 年に行ったパパ・ママリサーチの結果はこちら
お店の情報はこちら。
【文武堂】
- 住所:高知市鴨部 2 丁目 3-20
- 電話:088-840-7800
- 営業時間: 9:00 ~ 19:00 (土日祝は 18:00 まで)定休日なし
- 駐車場:お店の前に 3 台