つむサポから誕生!地域で子育てを支えるネットワーク|「江ノ口こそサポ交流会」「こそユニ!い~の」「くろしおっこネットワーク」が活動を紹介しました
高知県の子育て支援「みんなでつむサポ(つむサポ)」では、子育てサークルなどが市町村の社会福祉協議会などと連携し、地域で子育てを支えるネットワークづくりに取り組んでいます。
現在、高知市江ノ口地区で「江ノ口こそサポ交流会」、いの町で「こそユニ!い~の」、黒潮町・四万十市で「くろしおっこネットワーク」が活動しています。
いの町で「子育て交流会」が開かれ、3 団体が意見交換しました。それぞれの活動を紹介します。
目次
高知市江ノ口地区、いの町、黒潮町・四万十市でネットワークづくりが進んでいます
つむサポは、高知県内で子育て講座を企画する団体やサークルをつなぎ、気軽に子育て相談や交流ができる場を増やす取り組みです。
2021 年度に始まり、運営はNPO高知市民会議に委託されています。
2023 年度は 10 団体が参加し、読み聞かせ、防災講座、運動遊び、保護者の交流会など、多彩な講座が開かれています。
【2023年度・随時更新】「つむサポ講座」に親子で参加しませんか?|高知の子育て支援「つむサポ」の講座スケジュールを紹介します!
2022年度からは、地域ごとに団体やサークルをつなぎ、ネットワークをつくっていく「つむサポ交流会」が本格スタート。高知市江ノ口地区、いの町、黒潮町・四万十市で進められています。
いの町のすこやかセンター伊野で 2024 年 1 月 8 日に開かれた子育て交流会で、3 団体がこれまでの取り組みを発表しました。
【高知市・江ノ口こそサポ交流会】支援者同士のつながりからスタート。「こそサポまつり」を開いています
JR高知駅周辺に広がる高知市江ノ口地区で活動するのは「江ノ口子育てサポート交流会」。略して「江ノ口こそサポ交流会」です。
人口の多い江ノ口地区は、さらに西地区と東地区に分かれていて、それぞれに民生委員や主任児童委員がいます。江ノ口こそサポ交流会には、高知市社会福祉協議会、NPO高知市民会議も加わり、西地区と東地区が一緒に活動しています。
初めての交流会は地域の町内会や保育園、児童発達支援センターなどにも呼び掛け、2021 年 12 月に開かれました。それぞれが子育て世代や子育て支援に関わっていますが、普段は交流する機会がなかったそうです。
発表では「お互いの活動を知り、自分の活動に取り入れられそうなことや、一緒にできそうなことを考えていった」と紹介されました。
お互いが顔の見える関係になったところで、「子育て世代向けの取り組みを始めよう」と意気投合。2022 年 11 月、「江ノ口こそサポまつり」を主催しました。
保育園ブース、絵本コーナー、昔遊びコーナー、子育て相談コーナーが設けられ、参加者からは「 0~2 歳児も楽しめるイベントでうれしかった」「地域のお年寄りと触れ合う機会になった」と開催を喜ぶ声が寄せられました。
江ノ口こそサポ交流会には「働きながら子育てに奮闘する家庭や、1 人で頑張っているお母さんを『 1 人で頑張らなくてもいいんだよ』とサポートしていきたい」という目標があります。
地域で支援のネットワークを広げて子育てを応援する仲間を増やし、「親子の笑顔につながるような活動をしていきたい」と話していました。
【いの町・こそユニ!い~の】連携したら、もっと大きな活動ができる!「イベント」「情報発信」「居場所づくり」を考えています
いの町では子育てユニット「こそユニ!い~の」が活動しています。地域子育て支援センター「ぐりぐらひろば」、町社会福祉協議会のあったかふれあいセンター、NPO高知市民会議を中心に始まりました。
いの町でも「子育てをサポートしている団体はたくさんあるけれど、横のつながりが薄い」という課題がありました。
加えて、少子化やコロナ禍で「子どもが楽しめるイベントが少なくなっている」という声も上がっていました。
2022 年 12 月に初めての意見交換会を開き、「イベントづくり」「情報発信」「居場所づくり」の三つのチームを結成しました。子育てに関わる町内の施設や職種も加わり、「連携して、もっと大きな活動をしていこう」と取り組んでいます。
「イベントづくり」では、2023 年に 8 月に流しそうめんを企画しました。きっかけは、町内にある県立高知青少年の家に「町民が入りづらい」という意見。青少年の家が主催し、民生委員児童委員会など、町内で福祉を担う 4 団体が協力するという、こそユニらしいイベントとなりました。
「情報発信」と「居場所づくり」では、お母さんたちの意見も聞きながら、活動の方向性を検討しています。
「町内に子ども食堂やあったかふれあいセンターがあることを知らない保護者もいます」「子育て世代に地域を知ってもらうことから始めたい」と話していました。
【黒潮町、四万十市・くろしおっこネットワーク】発達が気になる子どもを育てる保護者が交流しています
黒潮町、四万十市では「くろしおっこネットワーク」が活動しています。発達が気になる子どもを育てている保護者が集まり、交流会や情報交換会を開催しています。
母体は、黒潮町の子育てサークル「くろしおっこなかまの会」。2014 年度から活動しています。
幡多地域では発達障害に関する医療や療育が限られているため、保護者同士の情報交換や支え合いが必要でした。「発達障害と診断されていなくても、『発達が気になる』『育てにくい』と困っている保護者も含めて、交流していきました」と振り返りました。
遠足やスポーツ、料理などの活動には、ボランティアが参加。ボランティアに子どもを見てもらっている間に、保護者が悩みを相談し合い、専門家に話を聞く機会をつくってきました。
交流を続け、子どもたちも変わっていきました。異年齢での活動では「この子に、こんな一面があるんだ」という発見もたくさんあったそう。「今では、誰がどの子の親か分からないくらい、みんな仲良しです」
現在は、保護者の活動を町社会福祉協議会がサポートしています。
2022 年度には、四万十市との連携がスタート。プレイアドバイザーの中市真帆さん、幼児体育講師の宮本忠男さん、言語聴覚士の小寺晶愛さんを講師に招き、交流会や学習会を開催。活動の幅が広がり、町外の親子も参加できるようになりました。
子どもの発達の悩みは、成長とともに変化します。進学や就職など、必要な対応も変わる中で、「小さい頃からの親同士のつながり」や「地域の人に発達障害を知ってもらい、見守ってもらうこと」が大切だと、くろしおっこのメンバーたちは実感しています。
「『話したい』いう保護者はたくさんいます。町内の活動を基本に、年に 1 回のペースでネットワークの活動も続けて、保護者がつながる場をつくっていきたいです」
高知県内にはさまざまな子育て支援団体がありますが、交流の機会は実はそれほどないのだそうです。
交流会では「別の団体さんのイベントでうちのイベントを知って、遊びにきてくれたお母さんがいた」という報告がありました。私たち親がさまざまな支援を利用し、「こんなイベントがありました」と伝えていくことも、高知の子育て環境をよりよくすることにつながるのかもしれないと感じました。
「江ノ口こそサポ交流会」「こそユニ!いーの」「くろしおっこネットワーク」の活動は、ココハレの「つむサポ」で紹介していきます。